
代理印は代印とも呼ばれ、本来印鑑を捺すべき人に変わって捺される印鑑のことをいいます。例えば、会社で上司が不在のときに部下が決裁文書に代わりに押す場合や、複数の弁護士が連名で書類を提出する際に、一部の弁護士が都合で押せない場合に代印を押すことがあります。
すべての印鑑をそれを捺すべき本人が捺すのがセキュリティ的には理想ではありますが、多量の業務のすべてにおいてそれを行っていると手間も時間も大きくかかってしまいます。それを軽減するのが代理印です。
代理印を使う場面
代理印は社内文書や稟議書、決裁書などでよく使われます。外部との契約書では慎重に扱う必要があります。特に金銭が絡む契約や法的効力のある書類では、代理印が認められないことが多いので注意してください。
実務での具体例
- 稟議書:部長が不在で決裁が必要な場合、課長が代理印を押すケースがあります。
- 領収書:経理担当者が上司の代わりに押印する場合があります。
- 契約書:取引先との契約で、担当者が代理印を押すことがありますが、これは非常にリスクが高い行為です。
代理印の押し方
代理印を押すときは、代理人が自分の印鑑を押し、その右上や右下に「代理」や「代」と記入します。これにより、誰が代理で押したのかが明確になります。専用の代理印というものはなく、一般的には個人の印鑑や職印が使われます。
代理印は便利ですが、法的な効力には注意が必要です。実は、代理印の有効性には厳密な法律上の根拠がありません。特に契約書など法的な文書では、代理印が認められないことがあります。社内規定や契約相手のルールを必ず確認しましょう。
改ざんリスクと代理印の効果
代理印を使う場合、後から「本人が押していない」と問題になることがありえます。代理印を使う際は、必ず代理権を確認し、可能なら本人の承認を文書で残しましょう。
代理印を使う場合、社内で承認フローを整備することが重要です。例えば、代理印を押す前に上司の承認メールを取得し、書類と一緒に保管することで、後から「無断で押した」という誤解を防げます。承認フローが明確であれば、トラブルを大幅に減らせます。
代理印のメリットとデメリット メリット
まとめると、代理印は
- 上司や責任者が不在でも業務を止めずに進められる
- 緊急時に迅速な対応が可能
- 社内文書の処理スピードが上がる
といったメリットを持つ一方、
- 法的効力が不明確で、契約無効のリスクがある
- トラブル時に責任の所在が曖昧になる
- 外部取引では信用を損なう可能性がある
といったデメリットもあります。使い方には注意が必要です。

代理印は実はその有効性にはっきりした厳密な根拠がありません。なので、特に法的な文書では認められないことがあります。社内規定などよく確認の上使いましょう。
代理印として専用で使われる印鑑というものはありません。一般的には職印、先生印などが用いられます。
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