中文とは

「中文」と「回文」

法人の印鑑には代表者印、銀行印、役職者印などいくつかの種類がありますが、どれも種類と使用者の情報に応じた種々の内容の文字を刻むことになります。氏名、もしくは氏のみしか刻印しないことの多い個人用の印鑑と違い、法人の印鑑では刻みこみたい情報の量も多いことがほとんどです。

ですから、たとえば業務上の書類等で見かける法人印鑑の印文に何が刻まれていて、それがどういう意味を持っているかを読み取りたいという場合には、この法人印鑑の印文の配置に関する慣習的なルールを理解する必要があります。その読み取り方のキーワードとなるのが「中文」「回文」です。

まず代表印や銀行印、役職者印の多くは二重の同心円になっています。中文とはこの内側の円の内部に刻まれる印文のことで、回文はその周りを集会するように刻まれる印文のことです。

大場
大場

中文と回文の二つに分けて上の画像の印文を読んでみましょう。中文に「代表者印」、回分に「印鑑の匠ドットコム」と篆書体で記されていますね。

「中文」には何が刻まれる?

中文と回文という区分は単なる文字位置だけの意味だけではなく、「この種類の印鑑ではこの場所にこの情報を書き込む」という形式が決まっています。これによって、印鑑を見る側も印鑑の所有者がどのような会社のどのような権限を持った人間が印鑑を捺したのかがわかりやすいようになっているわけです。

内側に刻み込まれる中文は、代表者印の場合なら「代表取締役」と刻印します(取締役が一人しかいない場合は取締役でもいいわけですが代表取締役と刻印することがほとんどです)。役職者印なら「理事」・「会長」・「社長」・「専務取締役」・「常務取締役」・「部長」・「課長」など、おもに役職名等が記されています(「部長之印」など、役職者名のあとに「印」「之印」などが入る場合もよくあります)。これに対し、外側に記されている回文には一般的には組織名を刻印します。

大場
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回文については回文のページをご覧ください。