止め印とは

契約書や重要な文書を作成したとき、最後には必ず確認作業を行います。文中に誤りがあれば訂正印を押して修正します。訂正印を使うことで、文章の改ざんを防ぐことができます。しかし、訂正印だけでは防げない部分があります。それは文末の余白です。

文末の余白は危険? 文中は訂正印で訂正者を証明できますが、文末の後ろには何も書かれていません。この余白に文章を勝手に追加されてしまうと、契約内容が変わってしまう恐れがあります。これを防ぐために使われるのが「止め印」です。

止め印の役割

止め印は、文書の署名に使った印鑑と同じものを使用し、文章の最後の文字のすぐ後ろに押します。これによって「ここより先に書かれた内容は無効です」という意味を示します。もし後ろに文章を追加されても、その部分には効力がありません。

大場
大場

実は、止め印を押さなくても、文末において「以下余白」と書くことでも同じ効力を得ることができます。どちらを使うかは状況によりますが、止め印はより確実な方法として広く使われています。

止め印の習慣は、日本の契約文化の中で長く続いてきました。昔から「印鑑は信用の証」とされ、契約書に押された印影は本人の意思を示すものとして扱われてきました。止め印はその延長線上にあるもので、余白に勝手な文章を追加されないようにするための工夫です。

止め印と個人印鑑・法人印鑑の関係

止め印は文書の署名に用いた印鑑と同じものを用い、文章の最後の文字のすぐ後ろに押します。
したがって、止め印専用の印鑑を作るということは通常ありません。

個人の場合は認印や実印が使われます。実印は市区町村に登録された印鑑で、契約や登記など重要な場面で使われます。銀行印は金融取引専用で、口座開設や預金引き出しに使われます。止め印はこれらの印鑑と同じく、文書の信頼性を守るために重要な役割を果たします。

法人では、代表者印や役職者印が止め印に使われます。代表者印は法人の実印にあたり、契約書や登記書類に押されます。役職者印は部長や支店長など特定の役職に紐づく印鑑で、社内外の決裁に使われます。銀行印は法人の金融取引に必須で、資金管理に欠かせません。

止め印を押す場面

止め印は契約書だけでなく、請求書や領収書など改ざんを防ぎたい文書にも使われます。特に契約書では、余白に追加記載されると大きなトラブルになるため、止め印がよく用いられます。

最近は電子契約が増えていますが、紙の契約書では止め印の役割は依然として重要です。電子契約ではシステム上で改ざん防止が行われますが、紙の契約書では物理的な対策が必要です。そのため、止め印は今でも多くの企業で使われています。

よくある質問

Q. 止め印は必ず必要?
A. 法律で義務付けられているわけではありませんが、改ざん防止のために推奨されます。また、「以下余白」と書き記すことにより文章の追加を防ぐ前述の方法を用いた場合、止め印は不要となります。

Q. 実印と銀行印は止め印に使える?
A. 実印は契約書に使われるため、止め印にも使えます。銀行印は金融取引専用なので、契約書には通常使いません。

Q. 法人の止め印はどの印鑑?
A. 代表者印や役職者印が使われます。契約書なら代表者印が一般的です。

Q. 電子契約では止め印は不要? A. 電子契約ではシステムで改ざん防止が行われるため、止め印は不要です。ただし、紙の契約書では必要です。

まとめ

止め印は文書の改ざんを防ぐための重要な印鑑です。個人の契約書では実印、法人では代表者印や役職者印が使われます。銀行印は金融取引専用ですが、印鑑全体に共通するのは「信頼を守る」役割です。しっかりとした印鑑を選び、適切に管理しましょう。

止め印のために印鑑を作成したいということはないと思いますが、実印など重要印鑑を作成したいという方は、印鑑の匠をチェックしてみてください。