楓とは

日本人にも馴染みの深い木材系印材

楓は日本では野山に普通に自生している木で、秋を歌った童謡にもたびたび登場しており、万葉集にもその名前が歌われています。葉がカエルの手のように見えるころから「かえで」という名前で呼ばれるようになりました。日本人には馴染みの深い樹木のひとつですが、それでも昔と比べて少なくなってしまいました。

そんな楓は、印鑑の素材としても注目されているのをご存じでしょうか?この記事では、印材としての楓の特徴についてご紹介します。

楓の印材は、北海道産のものが多く使われています。自然豊かな北海道では、計画的かつ合法的に伐採された木材を利用しています。これは環境保護に配慮した方法で、樹木の生育に必要な伐採の副産物を活用しているのです。また、カナダ産のハードメープルを使用するケースもあります。これらを樹脂で固めることで、木材と樹脂の良さを引き出した「エコ印材」としての側面も持っています。樹脂は人畜無害で、安全性にも配慮されています。

楓印材の製造過程

楓の印材は、天然木の美しさと耐久性を両立させるために、次のような特殊な工程を経て作られています。

  1. 原木の選定
    北海道産の楓やカナダ産ハードメープルを厳選します。これらは繊維が緻密で、印材に適した強度を持っています。
  2. 乾燥処理
    木材はそのままでは水分を含んでおり、変形や割れの原因になります。そこで、時間をかけて丁寧に乾燥させ、安定した状態にします。
  3. 樹脂との融合
    楓に高圧で樹脂を浸透させます。この樹脂は耐久性を高める役割を果たし、木材の弱点である湿度や乾燥による変形を防ぎます。
  4. 加熱圧縮処理
    木材と樹脂を加熱圧縮し、しっかりと固化させます。この工程により、強度と安定性が飛躍的に向上します。
  5. 成形と研磨
    圧縮された素材を印鑑の形に切り出し、丁寧に研磨して表面を滑らかに仕上げます。楓特有の飴色の美しい木目が際立つよう、細部までこだわった仕上げが行われます。

このような工程を経て作られる楓の印材は、天然木の風合いを残しながら、耐久性と安定性を兼ね備えています。

実印や銀行印、社印にも

楓の印材は、飴色の美しい色合いが特徴で、近年特に人気が高まっています。水牛の角などに比べて強度があり、長期保管にも適しています。印鑑にとって歪みや割れは大敵ですが、楓は特殊加工によって高い耐久性を備えているため、実印や銀行印など重要な印鑑に安心して選べる素材です。

楓の印鑑の魅力は見た目だけではありません。押印した印影はシャープで鮮明。ずっしりとした印材からは想像できないほど、すっきりとした印影が得られます。このため、銀行印や実印などの重要書類に使用する印鑑として非常に適しています。また、耐久性が高いため、会社の印鑑など頻繁に使う場面にも向いています。実際、会社の角印や丸印のセットで販売されることも少なくありません。

大場
大場

楓は現代的な印鑑として注目されている印材で、自分用にはもちろんのこと、成人式や入社祝いのプレゼントとしても人気は高まっています。古き良き時代の伝統を受け継ぎ、なおかつ新しい技術を取り入れた楓の印鑑は多くの人がご満足いただいているようです。

まとめ

楓は、日本人に馴染み深い木材でありながら、耐久性と美しさを兼ね備えた印材です。シャープな印影と高い強度を持つ楓は、実印や銀行印に最適な素材といえます。長く使う印鑑だからこそ、素材選びにこだわりたいで方は、ぜひ「印鑑の匠」で、自分にぴったりの一本を見つけてください。

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