写真にある「緘」のマーク。封をした部分に、こういったマークが付いているのをよく見かけますよね。
これは「封緘印（ふうかんいん）」というスタンプで押したものですが、すべての封書に「緘」が入っているわけではありません。いったい何のために押すのでしょうか？
そこでこの記事は、封緘印とは何なのか、どういう役割があるのかについてまとめました。記事の後半では、封緘印を購入できるお店についても紹介しています。
封緘印は必要か不要か。どんな意味があるの？
そもそも「封緘」の定義とは何でしょうか。
国語辞典の大辞泉（小学館）によると、「手紙や文書などの封をとじること。また、そのもの。封。」とあります。ちなみに封緘の「緘」の字は「とじる」「紐などでしっかり縛る」を表したものです。
封書は、封入物が外に出ないようフタ（「フラップ」「ベロ」とも）を糊やテープで閉じてから送ります。しかし、受取人ではない第三者が不用意に封書を開けてしまう恐れがあります。また輸送中、配達業者が意図的に開封する危険性もゼロではありません。
そこで、フタをした上から「緘」や「〆」などのしるし「封字（ふうじ）」を入れます。送り主がこの封字を残すことで、封書を慎重に取り扱っていることを相手に報せ、第三者による開封を防ぐ効果が期待できます。封を開けようとする配達業者の抑止力にもなります。
用途としては、特定の受取人に差し出す信書などに使うのが一般的です。例えば、請求書や納品書、招待状、戸籍謄本の証明書など、重要な書類を送る場合に用いられます。
封字を残すには、ボールペンで「〆」と書いたり、封緘用のシールを貼ったりと、さまざまな方法があります。そして封字を印面にした「封緘印」もあります。インクをつければポンポンとスピーディーに押せるので、多くの信書に封字を残したいときに便利です。
「重要文書には封字を残さないといけない」という決まりはないので、必ずしも封緘印は必要ではありません。ただし、特定の人に届けたい封書がある場合、押すことで、封書の機密性を高めることができます。用途によって使い分けるといいでしょう。
封緘印の押し方や位置を解説
封緘印を封書に押す場合、次の手順でおこないます。
1、封筒のフタ部分に糊を塗り、しっかり封をする
シールで封をしてしまうと封緘印がきれいに押せないので、糊を使用します。
2、糊付けをしたフタの継ぎ目の中央に、封緘印を押す
封筒の継ぎ目は段差があるので、きれいに押せないことがあります。そこで封筒の下に捺印マットを敷くと押しやすくなります。また、ゴム印タイプの封緘印の場合、「の」の字で押すのがおすすめ。紙に押しつけたまま「の」の字を書くように印面の重心を動かします。こうすると、まんべんなく印面が封書に接地するので、印影がかすれにくくなります。
封緘印の売ってる場所は？ダイソーやセリアにある？
封緘印の種類は、「ゴム印タイプ」やインクが本体に注入されている「浸透印タイプ」があります。封緘印を販売している主な取扱店は、
・印鑑専門店
・通販サイト
※一部取り扱いのない店舗もあります。
ダイソーやセリアのような100円ショップでは、現在取り扱いがないようです。印鑑を販売しているホームセンターや生活雑貨店、家電量販店、百貨店、リペアショップ、文房具店なども、封緘印を取り扱う店は限られています。
封緘印を手に入れたいなら、印鑑専門店と通販サイトがおすすめです。印鑑専門店の中には、封緘印を数多くラインナップしているお店もあります。中には、店オリジナルの封緘印（ゴム印タイプ）を置いていることも。おしゃれなデザインのものも見つかるかもしれません。デザインにこだわりたい方は印鑑専門店を訪ねてみてください。
通販サイトもおすすめです。
印鑑の匠ドットコムが運営する「シャチハタ・サンビーの匠」では、シヤチハタ製とサンビー製の封緘スタンプ（浸透印タイプ）を扱っています。
どちらも「緘」の封字を連続で押せるので便利です。定価よりもリーズナブルに購入できるので、ぜひサイトをご覧ください。
・シヤチハタ「Xstamperビジネス用スタンプ/キャップレスA型」
また請求書などを送付する場合、封緘印の他、「外脇付け」のスタンプもあると便利です。
外脇付けとは「請求書在中」や「重要」「親展」「至急」「折曲厳禁」などの文言を封筒に記載すること。封筒の中身や取り扱い上の注意点を伝えるために使用します。
「シャチハタ・サンビーの匠」では、こうした注意書きを印面にした外脇付けスタンプも取り扱っているので、合わせてご覧ください。
封緘印がない場合、どうやって代用する？
もし封緘印が手元にない場合、手書きや封緘用のシールなどで代用することもできます。
手書きで封字を入れるとき、ビジネス用途なら「緘」が適しています。簡単に書ける「〆」の封字もビジネスに使えますが、重要文書を送る場合、「緘」の方がより重々しい印象を与えることができます。
ちなみに「〆」は「締める」という意味から来ており、一筆書きのように「〆」と表します。「×」(バツ印）ではないので、書くときはご注意ください。
封字は他にも次の種類があります。封書の内容に応じて、それぞれの封字を使い分けることが大切です。
「寿」…おめでたいという意味合いがあり、婚礼などの慶事に使用します。
「賀」…「寿」と同様におめでたいという意味ですが、お祝い事やお祭り事などの慶事に使います。
「蕾」…「つぼむ」という意味合いがあり、女性のみが使えます。他に「莟」「つぼみ」とも表すことができます。
注意点として、横書きの洋封筒や海外宛ての郵便には「封字を書かない」こと。それよりも文化として根付いているシーリングスタンプや封緘シールで送るのがベターです。海外では「〆」が「×」に見えてしまい、かえって悪い印象を与えかねないので要注意です。
封緘印は重要書類に押すのがおすすめ
ここまで、封緘印とは何なのか、どういう役割があるのかについて紹介しました。
封緘印は、フタをした封書の継ぎ目に「緘」などのしるし（封字）をつけるときに用いるスタンプです。継ぎ目に押しておくことで、受取人ではない第三者の開封を防ぐなどの効果があります。請求書や納品書、招待状、戸籍謄本の証明書など、重要書類を送る場合に押すといいでしょう。
封緘印は、印鑑の匠ドットコムが運営する「シャチハタ・サンビーの匠」で取り扱っています。連続で押せる浸透印タイプなので、多くの文書に封字を残したいときに便利ですよ。
