
印鑑にはさまざまな素材がありますが、中でも定番と言われているものが「黒水牛(くろすいぎゅう)」です。黒のボディが美しくシンプルな色合いなので、プライベートからビジネス用途まで幅広いシーンで使われています。
定番でありながら老若男女に人気の高い黒水牛ですが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?
印鑑としての性能は高い? どうやってお手入れすればいい? ……など気になる方も多いはず。
この記事は、黒水牛印鑑に関するメリットとデメリットについてまとめました。
印鑑選びに悩んでいる、という方はぜひ参考にしてください。
黒水牛の印鑑は虫食いに注意
「黒水牛印鑑」とは名前のとおり、水牛を素材にしたものです。
東南アジア(タイ、インド、ベトナム、中国など)を中心に生息するウシ科の動物で、主に農耕用に飼育されています。その水牛の角を印材用に加工し、印面に名前を彫刻したものが黒水牛印鑑です。
水牛の角は、頭部の毛が変質し固くなった爪のような質感があります。そのため象牙よりも硬度は低いものの、弾力性に恵まれ実用的な印鑑として使われています。
一定の硬さがあるのに柔らかさも備えている、これが黒水牛の特徴です。印面部分も硬質過ぎず適度な粘りがあるため、ハンコ屋さんにとっても彫りやすい素材になっています。
そんな黒水牛印鑑のメリットとデメリットはどのようなものでしょうか。以下にまとめました。

【黒水牛印鑑のメリット】
・耐久性が高い
・油に強い
・艶のある黒色で重厚感がある
【黒水牛印鑑のデメリット】
・虫食いの危険がある
・経年変化により、ひび割れや伸縮の恐れがある
メリットから順に見ていきましょう。
【黒水牛印鑑のメリット】
・耐久性が高い
水牛の角の部分を加工したものなので、ちょっとやそっとの衝撃では欠けにくいです。
印材には、薩摩本柘(さつまほんつげ)や彩樺(さいか)など木質系のものも数多くありますが、それらと比べて、耐久性や耐磨耗性に優れています。結果長持ちするので、コストパフォーマンスも高いと言えます。
・油に強い
この角は頭部の毛が密集して硬質化したもので、動物性タンパク質で構成されています。油分が多く含まれているため、朱肉をつけても素材が浸食しにくいという特徴があります。
・艶のある黒色で重厚感がある…
黒水牛は完全に真っ黒な素材のものは少なく、印材に成形した後、薬品を使って黒く染色するのが一般的です。この染色工程により漆黒の艶が生まれ、独特な質感になります。
【黒水牛印鑑のデメリット】
・虫食いの危険がある
黒水牛の角は動物性タンパク質が主成分のため、食害に遭う場合があります。繊維質を好む害虫(イガ、カツオブシムシなど)によって、黒水牛がかじられてしまいます。このとき印鑑を出しっぱなしにしておかずに、必ず印鑑ケースに入れて保管すること。衣料用防虫剤と一緒に保管しておくと、より効果的です。
・経年変化により、ひび割れや伸縮の恐れがある
天然素材の黒水牛は乾燥に弱く、ひび割れや形が歪んでしまうことがあります。特に空気が乾燥しやすい冬の季節は要注意。印鑑ケースに入れて乾燥から身を守るようにします。また縮みを防ぐため、定期的にオリーブオイルなどの植物性油を塗っておくのも対策になります。
以上のメリット・デメリットがあります。
黒水牛印鑑は虫食いやひび割れを起こす場合がありますが、適切に保管すれば未然に防ぐことができます。
それよりも、耐久性が高く、シンプルな色合いで使う人やシーンを選ばない、といったメリットに注目したいですね。
黒水牛の「芯持(しんもち)」とは?

黒水牛印鑑の中には「芯持(しんもち)」と呼ばれるものがあります。これはいったい何なのでしょうか?
角の中は場所によって密度が異なり、先端に近い中心部ほど良質とされています。なぜなら、樹木の年輪と同じように角にも真ん中に芯が通っていて丈夫だからです。
この角の芯を印材の芯に合わせて切り出したものを「芯持」と呼びます。
芯持は、天然素材の宿命である経年による歪みやひび割れに強いため、印材に適した部位です。また、朱肉のつきがよく、長期の使用にも耐えられます。
また、黒水牛の特上品とされるのが「染無(そめなし)」。他の黒水牛のように、黒く染める必要の無い良質な角です。ちなみに染無は、原材料の角からわずか数%しか取れない希少品。黒水牛印鑑にもっとこだわりたい方は、「芯持」や「染無」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
黒水牛印鑑の相場価格はリーズナブル
ここまで、黒水牛印鑑のメリットとデメリットについて紹介しました。
黒水牛印鑑のメリットは、
・耐久性が高い
・油に強い
・艶のある黒色で重厚感がある
一方デメリットは、
・虫食いの危険がある
・経年変化により、ひび割れや伸縮の恐れがある
…が挙げられます。木質系の印鑑よりも耐久性が高く、朱油に強いため印面の劣化がしにくいのは黒水牛ならではの特徴です。虫食いなどは、ふだんから印鑑ケースに入れて保管すれば防ぐことができますよ。
また、動物系素材の中で比較的リーズナブルなのも黒水牛のメリット。
価格差はありますが、通販サイトの場合、個人用の実印だと5,000円~7,000円程度が相場です。
専門店「印鑑の匠ドットコム」では、黒水牛芯持、黒水牛染無芯持ともにリーズナブルな価格で販売中です。ぜひお気に入りの一本を見つけてください。



