はんこが上手く押せない、かすれるときはどうすればよい? 

日常生活の中で、頻繁にはんこを使うことはあまりないと思いますが、いざ必要になったとき、「上手く押せない」と慌ててしまう方は多いでしょう。 

「朱肉をつけすぎたからか、名前が滲んでしまった…」 

「印影がかすれてしまい、書類の再提出を求められた…」 

特に社会人になると、会社などではんこを使う機会が増えるので、こうしたトラブルは避けたいところですよね。 

そこでこの記事は、はんこを上手く押す方法について詳しく紹介します。「文字が傾いてしまう」「かすれてしまう」という方はぜひ参考にしてください。 

はんこを押す前にチェックすべきポイントは?

まず、はんこを押す前に、次の2つを確認しておきましょう。

印面の汚れがないか

朱肉が乾燥していないか

印面に汚れがあると、鮮明な印影を得ることが難しいです。そのため、はんこは使い終わったら掃除をするのが基本。柔らかいガーゼやティッシュペーパーなどで汚れを拭き取ります。

しかし、どれだけ念入りに掃除をしても、印面の狭い窪みに朱肉が入り込んで、こびりついてしまうことがあります。その場合は、専用のブラシまたは毛先の柔らかい歯ブラシで軽くこすりましょう。

それでもゴミが取れない場合は、紙の上に複数の輪ゴムを並べて置いてから、上から印面で輪ゴムを押し付けるように転がすと、きれいに掃除できますよ。

また、使用する朱肉についてもチェックが必要です。

朱肉は、溶剤(油)と顔料(朱砂など)を調合した朱液にパンヤやモグサなどの繊維質を混ぜて練り上げた伝統的な「練り朱肉」や、朱液をパッドに染み込ませた「スポンジ朱肉」があります。

一般的なものはスポンジ朱肉ですが、容器のふたを開けたままにしておくと朱肉が乾燥してしまうことがあります。乾燥すると、印面に朱肉がつきにくくなり、鮮明に押せません。

スポンジ朱肉が乾燥したら、朱肉用の補充インクを盤面に補充することで再び使用できるようになります。ただし、スポンジや布の部分が破れてしまった場合は朱肉そのものを新たに買い替えましょう。

はんこを上手く押すポイントは3つ

はんこの印面と朱肉を確認してOKなら、いよいよ押す工程に入ります。

印影がかすれたり滲んだりせずに上手く押すには、次の3つのポイントを理解することが大切です。

1、はんこを正しく持つ

2、朱肉をポンポンと付ける

3、捺印マットを敷いて「のの字」式で押す

それでは順番に見ていきます。

まず1。はんこを持つとき、親指の腹と人差し指と中指の3点で支えます。人差し指は印面の文字の真上に来るように、親指は文字の真下に沿えるようにします。なるべく力まずにリラックスした状態で持つようにしましょう。

はんこの持ち方を覚えたら、次に2。印面に朱肉を強く押しつけるのではなく、ポンポンと優しく何度も印面に朱肉をなじませて、全体にムラなく付けるようにします。

その際は、はんこと朱肉をそれぞれ手に持って、印面を上に向けて固定させたまま、朱肉をひっくり返してトントンと印面に付けるやり方がおすすめです。適度にまんべんなく朱肉が印面に付きますよ。

こうすることで印影のかすれや滲みが起きにくくなります。印面の窪みに朱肉が入り込むことを防ぐ効果も期待できます。

最後に3。押す際は、ぐらつきのない机の上でおこなうようにしましょう。また、紙の下にクッション性のある捺印マットを敷くと鮮明に押すことができます。もし捺印マットがなければ、分厚い雑誌やノートでも代用が可能です。

文字の上下をしっかりと確認したら、紙の上に印面を下ろします。そして、適度な力加減で紙にはんこを押しつけたまま、「の」の字を書くイメージで印面の重心を動かします。

こうすると、まんべんなく印面が対象物に接地するので、印影がかすれずに押すことができます。印面の重心を少しずつずらしてバランスよく移動させること、力を入れ過ぎないように押すことがコツです。

※実際に「の」の字を書くと、印面が接地面から離れて印影が歪んでしまうので、あくまでも「イメージで押す」ことを心がけてください。

「文字が傾いてしまう」という方は、鏡を使いましょう。やり方は、押す紙の上に小さな鏡を載せてはんこを持ちます。印面が鏡に映るように固定して、まっすぐに印面が映ったらそのまま鏡を外して紙に押します。これで歪むことなくまっすぐ押せるようになります。

はんこの正しい押し方を身につけよう

ここまで、はんこを上手く押す方法について紹介しました。

はんこを押す際は、

1、はんこを正しく持つ

2、朱肉をポンポンと付ける

3、捺印マットを敷いて「のの字」式で押す

以上の3つのポイントに気を付けると、かすれや滲みがなく上手く押すことができます。

また、準備の上で「印面の汚れがないか」「朱肉が乾燥していないか」をチェックしておくことも大切です。

コツさえつかめば誰でも簡単にはんこを押せます。いざというときでも慌てないよう、しっかり覚えておきましょう!