実印はどんな時に使うの?逆に実印を使ったらまずいのはどんな時? 

印鑑と聞いて、パッと思い浮かぶのが「実印」です。認印や銀行印に比べて重要な役目を持っている…というのはなんとなく分かるけど、具体的にどんな役割があって、どんな時に使うのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。 

そこでこの記事は、実印はどんな時に使うのか、具体的な場面を交えながら紹介します。実印として登録するときの注意点についてもまとめましたので、最後までご覧ください。 

家を買う時に実印が必要

そもそも「実印」とは、住民登録のある市町村役場に登録した印鑑のことです。登録すると自治体がその持ち主を示す証明書(印鑑登録証明書)を発行してくれるので、契約書などに捺した印鑑が自分本人のもので間違いないことを証明できます。 

実印は、印鑑の中でも最も信頼性が高いため、重要な契約を結ぶ場面で使われます。例えば、 

・土地、一戸建て、マンションを購入(売却)する。 

・自動車を購入(売却)する。 

・遺産相続をおこなう。 

・会社を設立する。 

 などが挙げられます。 

それでは、どのような場面で実印が使われるのか、具体的なケースを見てみましょう。 

家やマンションを購入する場合

購入時に売買契約を交わす必要がありますが、その際には、実印、印鑑登録証明書、身分証明書(免許証等)などが必要です。印鑑登録証明書は発行から3ヶ月以内のものと期限が決まっています。住宅ローンの契約を結ぶ時や物件の引き渡し時にも、実印や印鑑登録証明書、新住所の住民票、身分証明書などが必要となります。 

自動車を購入する場合

自動車を買う際には自動車検査証(車検証)、自賠責保険証、車庫証明書などの他、実印や印鑑登録証明書が必要な場合があります。普通車の場合、資産として国に登録する決まりがあり、契約書に捺す実印が本人のものであるかどうかを証明するために印鑑登録証明書が使われます。 

また、車を売る場合も実印や印鑑登録証明書の他、車検証や自賠責保険証などが要ります(軽自動車の場合は実印以外の印鑑でも可。印鑑登録証明書は不要)。車にはそれぞれ所有者や使用者が設定されており、売却時は名義変更の手続きが必要だからです。 

ただし軽自動車の購入や売却には実印以外の印鑑でも構いません(認印など)。これは軽自動車が資産としてみなされないから。印鑑登録証明書も不要で、その代わりに本人確認書類として住民票の提出が求められます。他にも普通車を購入する際に、所有者が購入する本人でなければ実印は必要ありません。 

ここまで、実印の主な使用用途について紹介しましたが、逆に実印を使ってはいけないケースはあるのでしょうか? それはズバリ、上記以外の用途。例えば宅配便の受け取りや社内回覧の「見ました」の確認など、日常的に使用するのは避けるべきです。 

実印は重要な契約を結ぶ時に使われます。ここぞという時に書類に捺すことで、「この書類に書かれてある契約内容を承認します」と自分の意思をはっきりと示すことができます。 

実印は大きな効力を持っているので、あっちにもこっちにも捺印すると人の目に触れやすくなり、悪用されるリスクも高まります。できるだけ人の目に触れないところに保管し、重要な場面の時だけ使うようにしましょう。 

実印のサイズは自治体によって決まっている 

先ほど説明したとおり、実印とは「住民登録のある市町村役場に登録した印鑑」のことです。そのため、チタンや黒水牛など印鑑の材質にかかわらず、登録したものはすべて「実印」となります。 

ただし何でもかんでも実印として登録できるわけではなく、各自治体の印鑑条例によって定められています。 

例えば印鑑のサイズは「一辺の長さが8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形からはみ出さないもの」とする市町村が多いです。中には「6mm~25mm」「7mm~25mm」など、小さい印影も登録できる自治体もあります。 

他にも、自治体は印鑑登録の条件について、 

・登録できる印は1人1点に限定 

・同一世帯で同じ印鑑は登録できない 

・市区町村に住民登録している15歳以上が登録できる 

・ゴム印など印面が柔軟なもので、押し方によって印影に相違が生ずるものは登録できない 

と規定しています。登録手数料は自治体によって異なり、無料としているところや100円、300円、500円など様々です。 

また、実印として登録すると、印鑑登録証明書が発行できますが、手数料は300円~350円と設定する自治体が多いです。 

実印に使う印鑑は頑丈で偽造されにくいものを 

ここまで、実印はどんな時に使うのかについて詳しく紹介しました。 

印鑑は自分の分身のような存在とよく言われますが、中でも実印は重要な場面で使われる最も大切な印鑑であることが分かります。 

だからこそ、実印用の印鑑を作るときは、フチが欠けにくく摩耗しにくい頑丈な材質のものを選ぶのがおすすめです。 

また、印面に彫る書体も、判読しにくく偽造がされにくい篆書体を用いるのが一般的とされています。豆知識として覚えておくと役立ちますよ。