
新しい家を買うとき、住宅ローンを利用する人は多いでしょう。
金融機関からお金を借りて家の資金に充てることができる、住宅専用のローンです。
住宅ローンの借り入れをする場合、多くの書類が必要ですが、実印は要るのでしょうか?
デジタル社会の現代において、印鑑の省略などさまざまな手続きが簡略化されています。だから住宅ローンの借り入れにも実印はいらないだろう…と思いがちですが、これは大きな間違い。
手続きをするには実印が絶対に必要です。加えて実印の印鑑登録証明書(印鑑証明書)も用意しなければなりません。
※現金で購入する場合、実印と印鑑証明書は不要です。
なぜ住宅ローンの借り入れに実印や印鑑証明書が必要なのか、この記事で詳しく解説していきます。
また、「実印をまだ持っていない」という人に向けて、実印に適したサイズの選び方や印鑑登録の仕方についても紹介します。
住宅ローンで必要な実印と印鑑証明書の場面は3つ
住宅ローンを組むのになぜ実印が要るのでしょうか。
それは、人生で最も大きな金額を借り入れる契約のため、充分に本人確認をする必要があるからです。
そもそも実印とは、住民登録のある市町村役場に登録した印鑑のことです。登録すると自治体がその持ち主を示す印鑑登録証明書を発行してくれるので、契約書などに押した実印が本人のもので間違いないことを証明できます。
実印は印鑑の中でも最も信頼性が高いため、重要な契約を結ぶ場面で使われます。例えば、土地や一戸建て、マンションの購入の他、遺産相続、会社設立…などに必要です。
住宅ローンで実印や印鑑証明書を使う場面は、主に次の3つです。
①不動産会社と売買契約を結ぶとき
②金融機関と住宅ローンを契約するとき
③司法書士に抵当権設定登記を依頼するとき
順番に見ていきましょう。
①不動産会社と売買契約を結ぶとき
購入する家が決まったら、不動産会社と売買契約を結ばなくてはなりません。
この手続きの際に、売買契約書や重要事項説明書に実印を押します。また、その公的証明書類として印鑑証明書の提出も求められます。
②金融機関と住宅ローンを契約するとき
金融機関との住宅ローン契約時も実印や印鑑証明書が必要です。
その際に、保証人や担保提供者がいる場合は、その分の印鑑登録証明書も提出しないといけません。
また金融機関によっては、住宅ローンの審査時にも印鑑登録証明書が必要になるケースもあります。住宅ローンは高額かつ長期的な契約となるため、金融機関は審査の際に契約者本人の身元確認を入念におこないます。その一環で、印鑑証明書による本人確認をすることがあります。金融機関によって対応が異なるので、住宅ローンを申し込む前に確認しておくと安心です。
③司法書士に抵当権設定登記を依頼するとき
住宅ローン契約を結んだ後、同時に「抵当権設定登記」をおこないます。
これは、金融機関が貸し付けるお金の担保として不動産を登記する手続きのこと。住宅ローンを組んだり不動産を買うために借り入れをしたりする際に必要です。
ほとんどの金融機関では、司法書士を通じて登記手続きをするように指定しており、司法書士が代わりに抵当権設定登記をおこなってくれます。
ただし、登記手続きに実印や印鑑証明書が必要なので、司法書士と面談する際は忘れずに準備しておきましょう。
※②の段階で、司法書士分の印鑑証明書を金融機関に預ける場合があります。この場合③で提出することはありません。
このように住宅ローンを組む場合、さまざまな場面で実印と印鑑証明書の提出が求められます。
他にも、住宅ローンの借り換え時にも印鑑証明書が必要です。
借り換えとは、新しい住宅ローンを借りて借り入れ中の住宅ローンの残債を一括返済することです。
借り入れ中、既存の住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンに借り換えすれば、金利負担を減らすことができます。

しかし、すでに住宅ローンを利用しているからといって、借り換えを無条件でおこなえるわけではありません。借り換え先の住宅ローンの審査に通過する必要があり、その審査を受ける書類の中に印鑑証明書が含まれています。
住宅ローン用の実印はいつまでに用意すればいい?
住宅ローンに実印や印鑑証明書が必要なことは分かりましたが、いつごろまでに用意しておけばいいでしょうか。
先ほど述べたとおり、実印や印鑑証明書が必要な場面は次の3つです。
①不動産会社と売買契約を結ぶとき
②金融機関と住宅ローンを契約するとき
③司法書士に抵当権設定登記を依頼するとき
この中でもっとも出番が早いのが、①「不動産会社と売買契約を結ぶとき」。家の購入を検討しはじめる段階で、実印を用意しておきましょう。
家選びは予算やエリア、間取りなどの希望条件をもとに、じっくり時間をかけておこなうもの。実印のことはついつい後回しになってしまいがちです。手元に実印がなければ、ハンコ屋さんに新しく作ってもらう必要があります。家選びで慌ただしくなる前に準備しておくのがおすすめです。
印鑑登録に必要な実印の大きさは、長さが60mmで印面(名前が彫ってある部分)は直径15〜16.5mmのサイズが一般的です。小さな13.5mmサイズを選んでも構いませんが、他の印鑑(認印・銀行印)と見分けがつきやすいよう、一回り大きいサイズのものを選ぶといいでしょう。
ちなみに実印のサイズは各自治体の印鑑条例によって規定されています。
多くの市町村が「一辺の長さ(印面)が8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形からはみ出さないもの」としています。中には「6mm~25mm」「7mm~25mm」など、小さい印影を登録できる自治体もあるので、居住予定の地域にある自治体に確認しましょう。
専門店「印鑑の匠ドットコム」では、実印用に最適な印鑑を取りそろえています。
種類も豊富ですので、ぜひお気に入りの一本を探してみてください。スピード納品にも対応しています。
住宅ローン時に提出する印鑑証明書の枚数

印鑑証明書は、住宅ローンのさまざまな場面で必要です。事前に複数枚用意しておけば発行する手間が省けます。それぞれの場面に必要な枚数について、下にまとめました。
①不動産会社と売買契約を結ぶとき…1通
②金融機関と住宅ローンを契約するとき…2~3通程度(一般的に金融機関や保証会社の保管用として1~2通、登記用として司法書士に提出する1通)
※審査段階で金融機関への提出が必要な場合、別にもう1通用意しておきます。
このように、印鑑証明書は合計4~5通用意しておくといいでしょう。
ただし不動産会社や金融機関によって必要な枚数は異なるため、事前に確認しておくと安心です。
また、契約者が複数だったり、保証人や担保提供者がいたりという場合、それぞれの分の印鑑登録証明書が追加で必要となります。
気を付けたいのが、売買契約から住宅ローン本審査、申込みまでは手続きのスケジュールがタイトになること。そのため、①をおこなう時点で印鑑証明書を用意しておくと慌てずに手続きができます。
印鑑証明書自体に有効期限はありませんが、不動産会社や金融機関が有効期限を設定しています。
「発行から3ヶ月以内」とする場合もあれば、「6ヶ月以内」というケースもあるので、早い段階から印鑑証明書を取得しないよう注意してください。
印鑑証明書の発行は役所のほか、コンビニで取得する方法もあります。
コンビニのマルチコピー機(キオスク端末)から取得できるサービスで、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)、またはスマホ用電子証明書が搭載されたスマートフォンを利用します。
急ぎで印鑑証明書が欲しい場合はコンビニでの交付が便利です。役所のように申請書に記入する手間がなく、土日祝日も利用できます。
また、コンビニ交付サービスに対応しているほとんどの自治体が手数料を引き下げているので、役所に比べてお得に印鑑証明書を取得できます。
住宅ローン用の実印は早めに作ろう
ここまで、住宅ローンの借り入れに実印や印鑑証明書が必要な理由について紹介しました。
住宅ローンを組む場合、多くの場面で実印や印鑑証明書の提出が求められます。
不動産会社と売買契約を結ぶ段階で必要となるので、実印を持っていない方は、それまでにハンコ屋さんに作ってもらいましょう。

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