印鑑の横彫りの向き、「右から左」「左から右」の違いは? 銀行印はなぜ「右から左」が多いの? 

印鑑を新しく作る際、迷うのが横書きで名前をレイアウトするときです。右から左の順に名前が読めるようにした方がいいのか、それとも左から右の順がベターなのか? いざ印鑑を注文するとき、どちらの並びが適しているか分からない……という人は少なくないでしょう。 

 そこでこの記事は、印鑑を横書きで名前を入れる際、「右から左」の順、「左から右」の順、のどちらが適しているのか、どんな違いがあるのか、について紹介します。新しい印鑑を作る時の豆知識として覚えておくと便利ですよ! 

「右から左」が多いのは昔の名残 

まず前提として、印鑑の名前は縦書き、横書きのどちらでも構いません。使う人の好みでどちらにするかを決めましょう。 

 また横書きにする場合、「右から左」「左から右」のどちらの向きで彫ってもOKで、基本的に自由です。 

ただし印鑑の世界においては、「右から左」の順に読めるように名前が入ったものが一般的です。日常生活では、横書きは左から右に読み進めるのが当たり前なので、違和感があるかもしれませんね。 

 なぜ印鑑は「右から左」が主流なのでしょうか。理由は定かではありませんが、戦前の日本の「右から左の順に書く横書き表記」が習慣として残っているからと考えられます。 

 実はこの習慣は、印鑑以外にも見られます。例えば縦書きで書かれた新聞や雑誌は、右から左へ読み進める構成になっています。また、鰻屋や蕎麦屋、和菓子屋などの老舗では、右から左の順で表された看板を掲げていることもあります。 

 印鑑にも、そうした日本古来の文化や習慣が色濃く残っているのです。 

横彫りの銀行印が多い3つの理由 

印鑑には様々な種類がありますが、特に銀行印では名前を横書き(右から左)にするケースが多く見られます。これは前述したとおり、日本の古き習慣の名残によるものですが、「縦にするとお金が流れてしまうけど、横にすれば流れずに留まる(貯まりやすい)」というゲン担ぎの意味合いもあるようです。 

また、「他の縦書きの印鑑と区別するために銀行印を横書きにする」という場合もあります。 

 印鑑には実印、銀行印、認印などの種類がありますが、物体として見比べたとき、大きな違いはありません。そこで銀行印の名前を横書きにすることで、実印や認印との区別がつきやすくなるわけです。実用的な方法と言えますね。 

 ここで気を付けたいのが、横書きが適さない印鑑もあるということ。それは「右から左」「左から右」のどちらからも名前が読める場合です。 

 例えば「田中」さんの名前を右から左の横文字で印鑑にすると、印影は「田中」とも「中田」とも読めるので、どちらが正しいか混乱してしまいます。 

 そこで、この場合は横書きでなく縦書きで印鑑を作るのがベターです。縦文字だと上から下の順に読むので、名前の読み方の間違いが起こる心配はありません。 

また、「他の縦書きの印鑑と区別するために銀行印を横書きにする」という場合もあります。 

 印鑑には実印、銀行印、認印などの種類がありますが、物体として見比べたとき、大きな違いはありません。そこで銀行印の名前を横書きにすることで、実印や認印との区別がつきやすくなるわけです。実用的な方法と言えますね。 

「名前の読み違い」が起きないか、印鑑を作る前に確認を

ここまで、印鑑を横書きで名前を入れる際、「右から左」の順、「左から右」の順、のどちらが適しているかについて紹介しました。 

 印鑑の場合、「右から左」の読み順で名前を入れるのが一般的です。その理由は、戦前の日本で見られた「右から左の順に書く横書き表記」が習慣として残っているからと考えられます。どちらの向きで名前を入れても印鑑としての役割は変わらないので、使う人の好みで決めましょう。 

ただし、横書きにすると「右から左」「左から右」のどちらからも名前が読めてしまうことがあります。その場合は、名前の読み間違いを防ぐために、縦書きで印鑑を作るのをお勧めします。